ルアーフィッシングというエキサイティングな趣味を始めようとするとき、最初に手にするシマノ ルアーロッドは、あなたの相棒となる重要な一本です。しかし、いざ選ぼうとすると、その膨大なラインナップに圧倒されてしまうかもしれません。
シマノ ルアーロッドの一覧を見ても、ルアーマチックやソルティーアドバンスといったシリーズ、SSやBBといった謎の記号、MやMHといったパワーの違い。一体どれを選べば良いのか。ルアーロッドを万能竿として使う場合の最適な長さとは?人気のロッドメーカーはどこなのか?そんな初心者が抱える無数の疑問は、期待を不安に変えてしまうことさえあります。
この記事では、そんなあなたの悩みをすべて解消し、シマノのロッドランクから、バスロッドのおすすめ、ルアーマチックS86MLやS90MLといった人気モデルの具体的な評価まで、専門的な知識を分かりやすく徹底的に解説します。
- シマノのルアーロッドのランク「BB」やパワー「M」「MH」の違いを解説
- ルアーロッドを万能竿として使う場合の最適な長さとは?
- 人気のロッドメーカーとシマノの立ち位置
- ルアーマチックS86MLなど、初心者におすすめの万能モデル5選
シマノルアーロッドの基礎知識:ランクと用語解説
- ルアーロッドを万能竿として使う場合の最適な長さは?
- ロッドのMとMHの違いとは?パワー表記の読み方
- シマノのSSとBBとは何ですか?ランクの謎を解明
- シマノだけじゃない!人気ロッドメーカーの特徴
- シマノのロッド一覧:ルアーマチックから上位機種まで
1. ルアーロッドを万能竿として使う場合の最適な長さは?
ルアーロッドを「万能竿」として、特に海のルアーフィッシング(シーバス、エギング、タチウオ、ライトショアジギングなど)で幅広く使いたい場合、最もおすすめな長さは「8フィート6インチ(約2.59m)」です。この長さは、ルアーマチックS86MLといった人気モデルにも採用されており、まさに「黄金の長さ」と呼ばれています。
なぜなら、適度な飛距離を稼ぎつつも、ルアーを細かく操作するのに邪魔にならない、絶妙なバランスを持っているからです。堤防や河口、干潟、足場の低い磯など、あらゆるフィールドで過不足なく活躍します。
もし、より飛距離が求められるサーフ(砂浜)がメインであれば「9フィート(約2.74m)」前後、逆に小規模な漁港でのアジングやメバリングが中心なら「7フィート(約2.1m)」前後、バスロッドとして使うなら「6フィート6インチ(約1.98m)」前後が基準となりますが、最初の一本として「万能性」を最優先するなら、8フィート6インチを選んでおけば間違いありません。
2. ロッドのMとMHの違いとは?パワー表記の読み方
ロッドの「M」や「MH」は、そのロッドの「パワー(硬さ)」を表す記号です。これはルアーの重さや、ターゲットとする魚の大きさに直結する非常に重要なスペックです。Mは「ミディアム」の略で、中程度の硬さを持ちます。シーバスロッドであれば、10gから30g程度のルアーを扱うのに適しており、シーバス、タチウオ、エギングなど、最も汎用性が高いパワーです。
一方、MHは「ミディアムヘビー」の略で、Mよりも一段階硬く、パワーがあります。こちらは20gから50gといった、より重いルアーを扱うことができ、サーフでのヒラメ狙いや、40g前後のメタルジグを使ったライトショアジギング(イナダ・サゴシ狙い)に適しています。万能性を求めるなら「M」または「ML(ミディアムライト=Mより少し柔らかい)」が最適ですが、より大きな魚や重いルアーを遠投したい場合は「MH」が選択肢に入ります。
3. シマノのSSとBBとは何ですか?ランクの謎を解明
シマノのロッド名に付く「SS」や「BB」は、そのロッドの「ランク(グレード)」や「特性」を示しています。「BB」は「Blood Brother(血を分けた兄弟)」の略で、シマノのロッドシリーズにおけるエントリーからミドルクラスのグレードを指します。
「ネッサBB」や「セフィアBB」、「ディアルーナBB」など、上位機種(例:ネッサXR)の設計思想や技術を受け継ぎつつ、素材やパーツを見直すことで高いコストパフォーマンスを実現したモデル群です。初心者から中級者まで幅広くおすすめできる、シマノの主力ランクと言えます。
一方、「SS」は「Spinning Special」や「Solid Special」など、モデルによって意味合いが異なる場合がありますが、多くは「Sephia SS(セフィアSS)」のように、BBシリーズよりもワンランク上の、中級者向けモデルとして位置づけられることが多いです。BBよりも軽量化が図られていたり、より専門的な調子に仕上げられている傾向があります。
4. シマノだけじゃない!人気ロッドメーカーの特徴
ロッドメーカーで人気があるのは、もちろんシマノが筆頭ですが、他にも強力なライバルが存在します。最大のライバルは「ダイワ(Daiwa)」です。シマノと並ぶ世界的なトップメーカーであり、ルアーニスト(ルアーマチックの対抗馬)のようなエントリーモデルから、AGS(エアガイドシステム)といった独自技術を搭載したハイエンドモデルまで、幅広いラインナップを誇ります。
次に、圧倒的なコストパフォーマンスで人気なのが「メジャークラフト(Major Craft)」です。初心者向けの「ファーストキャスト」シリーズから、中級者向けの「クロステージ」まで、驚くほど手頃な価格で高性能なロッドを次々と生み出しており、多くの釣り場で愛用されています。他にも、バスロッドで絶大な人気を誇る「ジャッカル(Jackall)」や、スタイリッシュなデザインが魅力の「アブ・ガルシア(Abu Garcia)」など、各社が特色あるロッドを開発しています。
その中でもシマノは、リールとのトータルバランスや、堅実で信頼性の高いロッド作り、そしてスパイラルXやハイパワーXといった独自のブランクス強化技術に強みを持っています。釣具は安全に使用することが何よりも重要であり、(一財)日本スポーツフィッシング振興会が推奨する安全マナーを守り、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが、楽しい釣りへの第一歩です。
5. シマノのロッド一覧:ルアーマチックから上位機種まで
シマノのルアーロッドのランクは、非常に体系的に構築されています。まず、ルアーフィッシングの楽しさを知るためのエントリーモデルとして「ルアーマチック」があります。驚くべき低価格ながら、シマノ品質の基本性能を備え、デザインもスタイリッシュです。
その一段階上が、先述した「BB」シリーズです。「ソルティーアドバンス」や「セフィアBB」、「ディアルーナBB」などがこれにあたり、シマノ独自のブランクス強化技術「ハイパワーX」などが搭載され始め、一気に実釣性能が向上します。ここがコストパフォーマンスの頂点とも言えます。次に、各ジャンルの「SS」や「XR」といったミドルからハイエンドモデル。「ディアルーナ」や「セフィアXR」、「ネッサXR」、バスロッドの「ゾディアス」や「エクスプライド」などが並びます。
感度や軽さが飛躍的に向上し、上級者でも満足できる性能です。そして、頂点に君臨するのが「リミテッド」や「エクスセンス」、「ワールドシャウラ」といったフラッグシップモデル。シマノが持つ最先端技術のすべてが注ぎ込まれ、価格も最高峰ですが、一度手にすると戻れないほどの究極の性能を誇ります。
迷ったらこれ!シマノのおすすめ万能ルアーロッド5選
- シマノ 23 ルアーマチック S86ML (万能スタンダード)
- シマノ 23 ルアーマチック S90ML (遠投性能モデル)
- シマノ 23 ルアーマチック S70UL (ライトゲーム特化)
- シマノ 23 ソルティーアドバンス S96ML (一歩上の万能ロッド)
- シマノ 21 ゾディアス (スピニング) 268ML (バス釣りの王道)
1. シマノ 23 ルアーマチック S86ML
もし、あなたが「どのシマノルアーロッドを選べばいいか、全くわからない」という状態なら、迷わずこの一本を選ぶことをお勧めします。「23 ルアーマチック S86ML」こそ、シマノが全アングラーに贈る「ルアーフィッシングの教科書」とも言える存在です。なぜ、これほどまでに推薦されるのか。その理由は、8フィート6インチ(約2.59m)という「黄金の長さ」と、ML(ミディアムライト)という「万能のパワー」を兼ね備えているからです。
この組み合わせが、あなたがルアーで狙ってみたいと思うターゲットの、実に9割をカバーします。例えば、シーバス。10gから20gのミノーやバイブレーションを快適に投げることができ、繊細なアタリも逃しません。例えば、エギング。3.5号(約21g)のエギを軽快に操作する「シャクリ」にも、ロッドが素直に反応してくれます。他にも、堤防からのタチウオ、ジグヘッドを使ったチヌ(クロダイ)やマゴチ狙いまで、この一本で全てが始まります。
2023年にモデルチェンジし、デザインは上位機種に迫る高級感あふれるブラックとゴールド基調に一新。安価なロッドにありがちな重ったるさは皆無で、一日中振り続けても疲れにくい軽量設計です。最初に無名の安物ロッドを買い、投げにくさや重さに挫折してしまう。そんな悲劇を、このロッドは防いでくれます。あなたの最初の一匹を、最も確実に、そして最も感動的に連れてきてくれる。それがルアーマチックS86MLです。
2. シマノ 23 ルアーマチック S90ML
「S86MLは魅力的だが、自分はもっと遠くへ、誰よりも遠くへルアーを飛ばしたい」。もしあなたのメインフィールドが広大なサーフ(砂浜)や、川幅の広い大河川の河口であるならば、S86MLではなく、この「23 ルアーマチック S90ML」こそがあなたのための選択です。
S86MLよりも約15cm長い、9フィート(約2.74m)のレングス。この差が、そのまま飛距離という絶対的なアドバンテージに変わります。サーフでは、ヒラメやマゴチが潜む「ブレイクライン(かけあがり)」が、遥か沖にあることが少なくありません。S86MLでは届かなかった、あの「もう一歩先」の未開拓ゾーンへ、S90MLはあなたのルアーを送り届けてくれます。
パワーはS86MLと同じML(ミディアムライト)ですが、長さがある分、30g近いヘビーシンキングペンシルやメタルジグを、ロッド全体に乗せて「しならせて投げる」感覚を掴みやすいのも特徴です。もちろん、その長さを活かして、足場の高い堤防からルアーを操作する際にも非常に有利。取り回しの良さではS86MLに一歩譲りますが、あなたが「飛距離」というロマンを何よりも優先するならば、このS90MLが最強の相棒となるでしょう。
S86MLという「万能」を選ぶか、S90MLという「遠投」を選ぶか。あなたのスタイルに合わせて、最初の一本を選べる自由。それこそが、ルアーマチックの懐の深さなのです。
3. シマノ 23 ルアーマチック S70UL
「大物を狙うパワーゲームもいいけれど、もっと身近なアジやメバルとの繊細な駆け引きを楽しみたい」。もしあなたがそうお考えなら、S86MLやS90MLとは全く異なる世界を見せてくれるのが、この「23 ルアーマチック S70UL」です。7フィート(約2.1m)の取り回しやすい長さに、UL(ウルトラライト)という、ラインナップ中最も柔らかく繊細なパワー設定。
このロッドがターゲットにするのは、1gにも満たないジグヘッドや、3g程度の小さなプラグで狙う、アジ(アジング)やメバル(メバリング)といったライトゲームの魚たちです。この釣りの醍醐味は、その「感度」。「コンッ」という、指先に伝わるか伝わらないかの微細なアタリを感知し、フッキングを決める。その瞬間の興奮は、大型魚の釣りとは全く違った中毒性があります。
S70ULは、その小さなアタリを明確に手元に伝えるための、しなやかで高感度なティップ(穂先)を備えています。そして魚が掛かれば、ロッド全体が美しい弧を描き、小さな魚の引きを何倍にも増幅させて、スリリングなファイトを楽しませてくれます。S86MLをメインロッドとして持ちつつ、このS70ULをサブロッドとして忍ばせておく。そうすれば、シーバスの時合いを待つ間に、足元でライズするアジと戯れる…そんな贅沢な時間の使い方も可能になります。ルアーフィッシングの奥深さを知るための一本です。
4. シマノ 25 ソルティーアドバンス S96ML
「どうせ買うなら、入門用ロッド(ルアーマチック)より、もう一歩上の性能が欲しい」。そう考える、本気でルアーフィッシングを始めたいあなたに最適なのが、この「25 ソルティーアドバンス S96ML」です。このロッドは、シマノのロッドランクにおいて、ルアーマチックの上位に位置する「BB」クラスの戦略的モデル。
価格はルアーマチックよりも少し上がりますが、その差を遥かに超える「性能」を手に入れることができます。最大の違いは、シマノ独自のブランクス強化構造「ハイパワーX」の採用です。これは、カーボンテープをX状に締め上げることで、キャスト時やファイト時に発生するロッドの「ネジレ」を徹底的に抑え込む技術。ネジレがなくなることで、あなたの力は真っ直ぐにルアーへと伝わり、キャストの飛距離と正確性が格段に向上します。さらに、魚を掛けた後も、ロッドのパワーが逃げることなく、魚をグイグイと引き寄せることが可能です。
9フィート6インチ(約2.9m)のMLパワーは、サーフや堤防からのシーバス、ヒラメ、ライトショアジギングまで、S90MLの守備範囲をさらにパワーアップさせた万能設定。ルアーマチックが「釣りの楽しさ」を教えてくれるロッドなら、ソルティーアドバンスは「釣りの上手さ」を引き上げてくれるロッド。この「ハイパワーX」というテクノロジーの差は、あなたが上達すればするほど、大きな違いとなって体感できるはずです。
5. シマノ 21 ゾディアス (スピニング) 268ML
もし、あなたの「ルアーロッド」が、海ではなく「バスフィッシング」を指しているのなら、この「21 ゾディアス 268ML」こそが、あなたの探している答えです。ゾディアスは、シマノのバスロッドの中で、世界的に最も高い評価と人気を誇るミドルクラスの決定版。なぜこれほどまでに人気なのか。
それは、価格を遥かに超えた「テクノロジー」が搭載されているからです。最大の特徴は、リールシートからグリップエンドまでが一体成型された、シマノ独自の「カーボンモノコックグリップ」。これにより、通常はグリップ素材で遮断されてしまう水中の微細な振動が、カーボンを伝って直接あなたの手に響きます。
その感度は、「まるで水底を直接触っているかのよう」と評されるほど。さらに、ブランクスにはもちろん「ハイパワーX」が採用され、正確無比なキャストを可能にします。268MLというモデルは、6フィート8インチのMLパワー。これは、バスフィッシングにおいて最も汎用性の高い「スピニングロッドの王道」です。
軽いワームを使った繊細な釣り(フィネス)から、小型のハードルアーまで、これ一本で高次元にこなします。ルアーマチックでバス釣りは「できます」が、ゾディアスならバス釣りを「極める」ことができます。この圧倒的な感度と操作性を一度知ってしまえば、もう他のロッドには戻れないかもしれません。バスフィッシングという深淵な世界へ、最高のスタートを切るための一本です。
まとめ:信頼のシマノルアーロッドで、最高の一匹を
シマノルアーロッドというキーワードから始まったあなたのロッド選びの旅も、その終点が見えてきたのではないでしょうか。この記事では、万能竿としての最適な長さ(8フィート6インチ)、MとMHといったパワーの違い、そしてシマノのロッドランクを示すBBの意味など、あなたが抱えていた疑問を一つひとつ解き明かしてきました。
シマノのロッド一覧には、ルアーマチックのような最高の入門機から、ソルティーアドバンスやゾディアスといった、明確なステップアップの道筋が示されています。もう、あなたは釣具店の前で、無数のロッドを前に途方に暮れる必要はありません。
あなたのアクションプランは明確です。まずは、ご自身がルアーを投げたいフィールドを想像してみてください。それは、近所の川や堤防ですか?(ルアーマチック S86ML) それとも、広大なサーフですか?(ルアーマチック S90ML) あるいは、バスが潜む野池ですか?(ゾディアス 268ML) あなたの「釣りたい」という情熱に、シマノのロッドは必ず応えてくれます。信頼できる一本を手にフィールドに立つ。その瞬間から、あなたの新しい釣りの物語が始まります。この記事で得た知識が、あなたにとって最高の一本となる「相棒」を見つけるための、確かな羅針盤となることを心から願っています。
