最新のルアーを投げ倒し、あらゆるテクニックを駆使しても、魚からの反応が全くない。そんな、心が折れそうな状況で、隣のベテランが、ただゆっくりとルアーを巻くだけで、次々とシーバスを釣り上げていく。
その手元で輝いていたのが、伝説のルアー「ローリングベイト」。そのあまりにもシンプルな使い方を目の当たりにし、あなたは、ローリングベイトの使い方の本当の意味を知りたくて堪らなくなったのではないでしょうか。
ただ巻くだけで、シーバスはもちろん、ヒラメや青物まで釣れるという魔法の正体。そして、プレートプラスとの違いや、ナイトゲームやサーフでの具体的な使い方、さらには、ベイトタックルでのPEラインの選択まで。
この記事は、そんなあなたの尽きない探究心に応える、ローリングベイトの全てを解き明かす、完全攻略ガイドです。
- ローリングベイトの核心「ただ巻き」で釣れる、その本当の理由を解説
- シーバスからヒラメ、青物まで、多彩なターゲットを惹きつける汎用性
- ノーマルとプレートプラスの明確な違いと、戦略的な使い分け
- ベイトタックルのPEライン選択など、気になる疑問にも完全回答
伝説のルアーを識る。ローリングベイトの全て

- ローリングベイトとは何か?その唯一無二のアクションの正体
- ローリングベイトで何が釣れる?シーバスからヒラメ、青物まで
- ローリングベイト プレートプラスとの明確な違いと使い分け
- ベイトシーバスでPEは何号がベスト?
- 難問?ベイトタックルで10gクラスの飛距離を出すコツ
1. ローリングベイトとは何か?その唯一無二のアクションの正体
ローリングベイトとは、タックルハウス社が生み出した、バイブレーションプラグの一種であり、その独特なアクションで、長年にわたり、多くのアングラーから絶大な支持を得ている、伝説的なルアーです。
一般的なバイブレーションが、ボディ全体を激しく震わせる「ウォブリング」アクションであるのに対し、ローリングベイトは、背中のリップで水を受け、ボディを左右に、パタパタと倒れ込むような「ローリング」アクションを主体としています。
この、極めてタイトで、ナチュラルな動きこそが、このルアーの心臓部。まるで、本物のベイトフィッシュが、身をくねらせて泳ぐ姿を、完璧に模倣しているのです。派手な動きでアピールするのではなく、あくまで自然な波動で、ターゲットの側線に、静かに、しかし、確実にその存在を届けます。
この「やりすぎていない」アクションが、スレきった、賢いシーバスや、警戒心の強いターゲットに対して、違和感を与えることなく、いとも簡単に口を使わせてしまう。それが、ローリングベイトが「エサ」とまで呼ばれる、唯一無二のアクションの正体なのです。
2. ローリングベイトで何が釣れる?シーバスからヒラメ、青物まで
ローリングベイトは、シーバスルアーとして、その名を不動のものとしましたが、その圧倒的な実力は、ターゲットを限定しません。まず、シーバスはもちろんのこと、その一定のレンジを、スローに、そして安定して引いてこれる特性から、サーフでのヒラメ狙いにおいても、絶大な効果を発揮します。
離岸流の中を、ボトムを擦らない、絶妙なレンジでトレースすることで、他のルアーでは喰わせきれなかった、座布団ヒラメを、何度も引きずり出してきました。また、そのタイトなローリングアクションが生み出す、強い波動は、青物の捕食本能をも、強烈に刺激します。
特に、ベイトが小さい時の、ナブラ撃ちなどでは、そのコンパクトなシルエットと、強い波動の組み合わせが、爆発的な釣果を叩き出すことがあります。その他にも、河川でのサクラマスや、大型のトラウト、あるいは、ロックフィッシュなど、フィッシュイーターであれば、魚種を問わず、その牙の射程圏内。
ローリングベイトで何が釣れるか?という問いの答えは、極めてシンプル。「あなたが、そのフィールドで狙いたい、全てのフィッシュイーター」なのです。
3. ローリングベイト プレートプラスとの明確な違いと使い分け
ローリングベイトシリーズには、オリジナルのモデルと、頭部に金属プレートが装着された「プレートプラス」というモデルが存在します。この二つは、似て非なる、明確な個性を持っており、その違いを理解することが、戦略の幅を広げる鍵となります。
まず、オリジナルのローリングベイトは、背中のリップだけで水を受け、極めてナチュラルで、タイトなローリングアクションを生み出します。その波動は、非常に繊細で、アングラーの手元には、ほとんど振動が伝わってこないほど。これが、プレッシャーの高い、タフな状況で、絶大な喰わせ能力を発揮します。
一方の「プレートプラス」は、頭部の金属プレートが、より多くの水を受け流すことで、オリジナルよりも、さらに強く、そして、ワイドなローリングアクションを発生させます。その波動は、明確にブルブルと、手元に伝わってくるため、ルアーの動きを把握しやすく、初心者でも扱いやすい、というメリットがあります。
また、強い波動は、広範囲にアピールするため、魚の活性が高い時や、濁り潮の中で、効率よく魚を探すのに向いています。「喰わせのオリジナル」と、「アピールのプレートプラス」。この二つを、状況に応じて使い分けることで、あなたのローリングベイト戦略は、完成の域に達します。
4. ベイトシーバスでPEは何号がベスト?
ローリングベイトのような、巻き抵抗の少ないルアーを、よりダイレクトに、そして快適に操作するために、ベイトタックルを選択するアングラーは、少なくありません。
その際、多くの方が悩むのが、PEラインの号数(太さ)の選択です。ベイトシーバスにおいて、最も標準的で、幅広い状況に対応できるPEラインの号数は、「1.5号」と言えるでしょう。この太さは、20g前後の、最も使用頻度の高いルアーを、ストレスなくキャストでき、不意のランカークラスとも、安心してファイトできる、十分な強度を兼ね備えています。
もし、あなたが、より軽量なローリングベイト77や55を、より遠くへ飛ばしたい、あるいは、より繊細な操作感を求めるのであれば、「1.2号」まで、号数を落とすのも有効です。逆に、橋脚際や、ゴロタ場など、根ズレのリスクが高い場所で、大型の88や99サイズを、強引に使い倒したい、というのであれば、「2号」を選択することで、絶対的な安心感を得ることができます。
まずは、基準となる1.5号を巻き、そこから、自分のスタイルや、メインフィールドに合わせて、太さや細さを、調整していく。それが、ベイトシーバスにおける、PEライン選びの、成功への近道です。
5. 難問?ベイトタックルで10gクラスの飛距離を出すコツ
ベイトタックルで、ローリングベイト55のような、10g前後の軽量ルアーをキャストし、十分な飛距離を出す。これは、多くのアングラーが、一度は挑戦し、そして、挫折する、非常に難易度の高いテーマです。
まず、大前提として、通常のシーバス用ベイトタックルで、これを快適に行うのは、極めて困難です。この領域は、もはや「ベイトフィネス」と呼ばれる、専門のタックルの独壇場となります。スプールの重量が、極限まで軽量化された、ベイトフィネス専用のリールと、軽い力で、しなやかに曲がり込み、ルアーの重みを、最大限に反発力へと変えてくれる、柔らかめのロッド。
この二つが揃って、初めて、その挑戦権を得ることができます。その上で、キャストのコツは、ロッドを振り抜くのではなく、あくまで、ロッドのしなりと、反発力だけで、ルアーを「弾き出す」ような、コンパクトで、スムーズなモーションを心がけること。
力めば力むほど、スプールは、過回転を起こし、バックラッシュという、悪夢を招きます。適切なタックルと、練習。その二つが揃えば、30mから40mという、実戦的な飛距離を、手に入れることも、決して夢ではありません。
釣果を約束する一手。状況別ローリングベイト最強モデル5選

- タックルハウス ローリングベイト 77 Sinking Works レッドヘッド
- タックルハウス ローリングベイト 55 Sinking イワシ
- タックルハウス ローリングベイト 77 プレートプラス PHイワシ
- タックルハウス ローリングベイト 88 Sinking Works ピンクヘッド
- タックルハウス ローリングベイト 77 Sinking Works SHチャート
1. タックルハウス ローリングベイト 77 Sinking Works レッドヘッド
もし、あなたが、ローリングベイトという、伝説のルアーの世界に、最初の一歩を踏み出すのであれば、選ぶべきは、この一本以外にはありません。「ローリングベイト 77 レッドヘッド」。これは、数あるラインナップの中で、最も汎用性が高く、そして、最も多くの実績を叩き出してきた、まさに王道の中の王道。77mm、15gという、シーバスルアーの黄金スペックは、港湾、河川、干潟、サーフと、あらゆるフィールドにマッチし、タックルボックスの中の、どんなルアーとも、見事に調和します。
そして、この「レッドヘッド」というカラー。ナイトゲームにおける、圧倒的な視認性と、デイゲームでの、パールホワイトによる、ナチュラルなアピール力。この、どんな状況でも、安定した結果を叩き出す、盤石の組み合わせは、アングラーに、絶対的な安心感と、信頼感を与えてくれます。
使い方は、あまりにも、シンプル。キャストし、狙ったレンジまで沈め、ただ、ゆっくりと巻くだけ。それだけで、このルアーが持つ、魔性のローリングアクションが、あなたの目の前で、奇跡を起こしてくれるでしょう。ローリングベイトの、基本にして、奥義。その全てが、この一本に凝縮されています。伝説への扉を開ける、最初の鍵として、これ以上の選択肢は、存在しません。
2. タックルハウス ローリングベイト 55 Sinking イワシ
春先の、マイクロベイトパターン。あるいは、アングラーのプレッシャーが極限まで高まった、激戦区の港湾部。そんな、大型のルアーでは、全く歯が立たない、究極のタフコンディションを、あなたは幾度となく、経験してきたはずです。
その、高く、分厚い壁を、静かに、そして、確実に打ち破るための、最後の切り札。それが、この「ローリングベイト 55」です。55mm、8gという、反則レベルの、コンパクトなボディ。それは、セレクティブなシーバスの、警戒心を、完全に麻痺させ、まるで、本物のベイトフィッシュの群れの一部であるかのように、何の疑いもなく、その口元へと、吸い込まれていきます。
そして、その効果を、最大限に高めるのが、「イワシ」という、究極のナチュラルカラー。日本の沿岸で、最も普遍的なベイトである、カタクチイワシを、完璧に模したそのカラーリングは、スレきった、賢いランカーシーバスの、最後の理性を、いとも簡単に、崩壊させてしまうでしょう。
アジングや、メバリング用の、ライトなタックルで、繊細に、この小さな巨人を使えば、これまで、あなたを嘲笑っていた、あのシーバスが、あまりにもあっさりと、その姿を現すはずです。その、衝撃的なまでの、喰わせの能力。それは、あなたの、タフコンディションに対する、価値観を、根底から覆してしまうかもしれません。
3. タックルハウス ローリングベイト 77 プレートプラス PHイワシ
オリジナルの、ローリングベイトが持つ、魔性の喰わせ能力は、理解した。しかし、その、あまりにも繊細な波動は、時に、アングラーに、一抹の不安を抱かせます。「本当に、ルアーは動いているのか?」「魚に、気づいてもらえているのか?」。
そんな、あなたの、もっと強く、もっと明確な手応えが欲しい、という願いに応えるのが、この「ローリングベイト 77 プレートプラス」です。頭部に、金属製のプレートを搭載した、このモデルは、オリジナルとは、明らかに一線を画す、パワフルなローリングアクションを発生させます。
その、ブルブルと、明確に手元に伝わる、力強い振動は、アングラーに、ルアーが、確実に水を掴み、魚を誘っている、という、絶対的な自信を与えてくれます。そして、その強い波動は、濁り潮の中や、風波が強い状況でも、広範囲の魚に、その存在を、力強くアピール。特に、魚の活性が高く、よりアピール力のあるルアーに、好反応を示す場面では、オリジナルを、遥かに凌駕する、爆発的な釣果を、叩き出すことがあります。
カラーは、最も信頼の置ける、王道の「PHイワシ」。喰わせのオリジナルと、アピールのプレートプラス。この、二つのローリングベイトを、状況に応じて使い分ける。その時、あなたの戦略は、完成の域に達するのです。
4. タックルハウス ローリングベイト 88 Sinking Works ピンクヘッド
広大なサーフ、あるいは、大規模河川の、太く、重い流れ。そんな、77mmでは、アピール力が、少し物足りない、と感じる、オープンエリアを、攻略するために、この「ローリングベイト 88」は、存在します。88mm、24gという、ボリュームアップされたボディ。
それは、兄貴分の99mmほどの、威圧感はなく、弟分の77mmほどの、非力さもない、まさに、オープンエリアにおける、黄金のバランス。その、24gという重量が生み出す、圧倒的な飛距離は、これまで、あなたが、攻めあぐねていた、遥か彼方の、未開のポイントを、あなたの、完全な射程圏内へと、収めます。
そして、このルアーが、最も輝くのが、サーフでの、ヒラメ狙い。離岸流の中を、ボトムを、擦るか、擦らないかの、絶妙なレンジで、ただ、ゆっくりと巻くだけ。その、ナチュラルなローリングアクションは、警戒心の強い、座布団ヒラメの、目の前に、最も無防備な、極上のベイトを、送り届けることを、可能にします。
カラーは、サーフでの、実績が、極めて高い、「ピンクヘッド」。マズメ時の、ローライトな状況でも、ヒラメに、その存在を、明確にアピールします。あなたの、サーフゲームの、新たな扉を開く、強力な一手となるでしょう。
5. タックルハウス ローリングベイト 77 Sinking Works SHチャート
夜の帳が下り、視覚が、その意味を失う、ナイトゲーム。あるいは、雨後の、茶色い濁流が、全てを飲み込む、タフな状況。そんな、極限の、ローライトコンディションで、闇を切り裂き、魚に、その存在を、最も強く、最も明確に、知らせる力が、この「SHチャート」には、あります。
これは、数あるローリングベイトのカラーの中で、最も、アピール力に、その性能を、全振りした、最強のカラーコンビネーション。ボディ全体を、包み込む、鮮やかな、チャートリュース。この、強烈な膨張色が、暗闇や、濁りの中で、ルアーのシルエットを、実際以上に、大きく、そして、くっきりと、ターゲットに、認識させます。
そして、背中に、ワンポイントで、吹かれた、オレンジ。これが、下から、ルアーを、突き上げるシーバスに対して、完璧な、バイトマーカーとなり、フッキング率を、劇的に、向上させるのです。このカラーが、放つ、圧倒的なまでの、存在感。
それは、低活性で、やる気のない、シーバスの、目の前を、強制的に、通過することで、思わず、口を使わせてしまう、リアクションバイトを、誘発します。どんな、タフな状況でも、信じて、投げ続けられる。その、絶対的な信頼感が、アングラーの、心を支え、そして、奇跡の、一匹を、その手へと、引き寄せてくれるはずです。
まとめ:ただ巻き、その先に。ローリングベイトで、釣りの本質を知る

タックルハウスが生んだ、不朽の名作、ローリングベイト。その、伝説的な釣果の裏側には、「ただ巻くだけ」という、あまりにもシンプルで、しかし、極めて奥深い、釣りの本質が、隠されていました。
この記事を通して、その唯一無二のアクションの秘密や、プレートプラスとの違い、そして、多彩なターゲットを魅了する、無限の可能性を、ご理解いただけたのではないでしょうか。
あなたが、次にすべきことは、非常に、シンプルです。ボックスから、このローリングベイトを、一つだけ、選び出してください。そして、フィールドに立ち、全ての、小難しいテクニックを、一旦、忘れてしまうのです。キャストし、狙いのレンジまで沈め、あとは、信じて、ただ、ゆっくりと巻く。
ルアーの、微かな振動を感じながら、魚との出会いを待つ。その静かで、豊かな時間こそが、ローリングベイトが、あなたに教えてくれる、釣りの本当の楽しさなのかもしれません。この、魔法のルアーは、単にあなたの釣果を、増やすだけではない。あなたの、釣りを、もっと、シンプルに、そして、もっと、深いものへと、変えてくれる最高の教師となるはずです。さあ、その魔法の扉を開けてみてください。