この記事のポイント
- ラパラ シャッドラップが何十年も釣れ続ける理由とその正体を徹底解説
- シャッドラップとシャッドラップエリートの決定的な違いを明確化
- SR5, SR7, SSRなど、種類やサイズごとの最適な使い分けを紹介
- シーバスやトラウトなど、対象魚ごとの効果的なモデルを厳選
なぜシャッドラップは釣れ続けるのか?伝説を解き明かす5つの鍵

- そもそもラパラのシャッドラップとは一体何?
- シャッドラップとシャッドラップエリートの決定的な違い
- ラパラのシャッドラップにはどんな種類があるの?
- SR5やSR7などモデル名の数字と記号の意味
- シーバスやトラウトにも本当に効果的なのか?
1. そもそもラパラのシャッドラップとは一体何?
ラパラのシャッドラップとは、フィンランドのルアーメーカー、ラパラ社が製造する、世界で最も有名で、最も多くのバスを釣り上げてきたと言われるクランクベイトです。その正体は、ボディ素材に天然のバルサ材を使用した、シャッド(アメリカの淡水ニシン科の魚)形状のルアー。
1980年代初頭に登場して以来、その驚異的な釣果によって瞬く間に全米を席巻し、日本のバスフィッシングシーンにも計り知れない影響を与えました。シャッドラップの最大の特徴は、バルサ材だからこそ実現できる、極めてナチュラルでハイピッチなタイトウィグルアクションにあります。
それはまるで本物の小魚が逃げ惑う際の微細な振動そのものであり、他のプラスチック製ルアーとは一線を画す生命感で魚の側線を刺激します。ただ巻きするだけで、誰が使っても完璧なアクションを演出できる完成度の高さと、あらゆる状況で魚を騙しきる普遍的な性能。それが、40年以上経った今もなお、世界中のアングラーのタックルボックスの一軍に君臨し続ける理由なのです。
2. シャッドラップとシャッドラップエリートの決定的な違い
シャッドラップとシャッドラップエリートの最も大きな違いは、伝統と革新、そして素材と構造にあります。オリジナルのシャッドラップは、前述の通りボディに天然のバルサ材を使用しています。これにより、唯一無二のナチュラルなアクションと、優れた浮力を実現しています。
しかし、その反面、天然素材ゆえの個体差や、岩などにぶつけた際の破損リスク、そして飛距離が出にくいという弱点も抱えていました。一方、シャッドラップエリートは、その伝統的なアクションの魂を受け継ぎつつ、現代の技術で弱点を克服した進化版です。
ボディは高比重バルサを使用し、内部はワイヤーを貫通させたスルーワイヤー構造を採用。これにより、圧倒的な強度と、大型魚とのファイトにも耐えうる剛性を獲得しました。さらに、タングステンウェイトを内蔵することで、キャスト性能が劇的に向上し、逆風の中でも狙ったポイントへ正確にルアーを送り込むことが可能になりました。アクションはオリジナルよりもやや強く、アピール力も増しています。
つまり、伝統の食わせ能力を重視するならオリジナル、飛距離や強度、アピール力を求める現代的な釣りにはエリート、という明確な使い分けが存在するのです。
3. ラパラのシャッドラップにはどんな種類があるの?
ラパラのシャッドラップは、一つのモデルだけでなく、状況に応じて使い分けるための多彩なラインナップで構成される一つのファミリーです。まず基本となるのが、最もスタンダードなSR(Shad Rap)モデル。これは潜行深度を持つ、いわゆる一般的なクランクベイトで、中層を攻略する際の主軸となります。
次に、SSR(Shallow Shad Rap)は、フローティング設定で潜行深度が非常に浅いシャローランナーモデルです。水面直下や、ウィードの上などを攻略する際に絶大な効果を発揮します。JSR(Jointed Shad Rap)は、ボディが二つに分かれたジョイントモデル。より艶かしく、複雑なアクションで魚にアピールし、低活性時の切り札となります。
そして、SSR14(Super Shad Rap)は、14cmという巨大なボディを持つ、対モンスター用のビッグベイトです。日本ではあまり馴染みがありませんが、パイクやマスキーといった大型魚を狙う海外では定番のモデルです。これらのファミリーを理解し、その日の状況に合わせて適切なモデルを投入することが、シャッドラップの真価を最大限に引き出すための鍵となります。
4. SR5やSR7などモデル名の数字と記号の意味
ラパラ シャッドラップのモデル名に付いているアルファベットと数字は、そのルアーの性能を示す重要な識別コードです。これを理解すれば、パッケージを見ただけでルアーの特性を瞬時に把握できます。まず、冒頭のアルファベットは、前述したルアーの種類を示します。
SRはスタンダードなシャッドラップ、SSRはシャローシャッドラップ、JSRはジョインテッドシャッドラップを意味します。そして、その後に続く数字は、ルアーのボディ長をセンチメートル単位で表しています。例えば、SR5であれば、全長5cmのシャッドラップという意味になります。同様に、SR7は7cm、ラパラシャッドラップ5という表記もSR5と同じものを指します。
このサイズは、フィールドのベイトフィッシュの大きさに合わせるのが基本です。野池や渓流でブルーギルやハヤを捕食している魚を狙うならSR5、広い湖や河川でアユやワカサギを追う大型の魚を狙うならSR7やSR8といった具合に使い分けます。このシンプルな命名規則を覚えるだけで、あなたのルアー選びはより戦略的で、迷いのないものになるでしょう。
5. シーバスやトラウトにも本当に効果的なのか?
バスルアーとしてあまりにも有名なシャッドラップですが、その実力は淡水だけに留まりません。シーバスやトラウトといった、他のフィッシュイーターに対しても驚くほどの効果を発揮します。なぜなら、シャッドラップが模倣しているのはバスが好む特定の何かではなく、魚食魚が本能的に捕食対象とする小魚そのものだからです。
例えば、港湾部でのシーバスゲームにおいて、SR7やSR8はイワシやサッパといったベイトフィッシュにサイズも泳ぎもそっくりです。特に、派手なアクションを見切るスレたシーバスに対して、バルサ特有のナチュラルな動きは絶大な切り札となり得ます。また、渓流や管理釣り場のトラウト狙いでは、SR5が非常に有効です。
小魚を模したカラーを選べば、大型のイワナやニジマスが猛然とアタックしてきます。実際に多くのインプレッションでも、対象魚を問わない釣果報告が数多く寄せられています。バス用だから、と決めつけずに、あなたの身近なフィールドで試してみてください。きっとシャッドラップが持つ無限の可能性に、心を奪われることになるはずです。
タックルボックス一軍確定!絶対に後悔しないシャッドラップ5選

- 全ての基本にして究極の存在・SR7
- タフな状況を打開する喰わせの切り札・SR5
- 水面を制するシャローゲームの支配者・SSR7
- 伝説と革新の融合体・シャッドラップエリート75
- 予測不能な動きで誘う魔性のジョイント・JSR5
1. 全ての基本にして究極の存在・SR7:ラパラ(Rapala) シャッド ラップ 7cm SR7
もし、世界中のシャッドラップの中からたった一つだけを選べと言われたら、全ての釣り人が迷わずこのSR7を指さすでしょう。7cmというボディサイズは、バスのメインベイトとなるアユやオイカワ、ブルーギルの稚魚などにジャストフィットする、まさに黄金比と呼ぶべき大きさです。
このルアーの心臓部は、繰り返しになりますが天然のバルサ材。プラスチックでは決して生み出せない、軽やかで生命感に満ちたハイピッチアクションは、スレきった天才バスさえも我慢できずに口を使わせてしまう魔力を持っています。使い方はあまりにもシンプル。ただキャストして、一定速度で巻くだけ。
それだけで、SR7は自ら最も釣れる泳ぎを演出し、水中にある全ての魚にその存在をアピールします。潜行深度は約1.5mから3.3m。日本のフィールドで最も魚が付きやすいミドルレンジを完璧にカバーし、ブレイクラインや沈んだ立ち木、ウィードのエッジなどを正確にトレースすることが可能です。
カラーは、まずベイトフィッシュに近いシルバー(S)や、濁りに強いファイヤータイガー(FT)を揃えれば、ほとんどの状況に対応できます。これは単なるルアーではありません。40年以上の長きにわたり、世界中のトーナメントシーンと休日のフィールドで、数え切れないほどのドラマを生み出してきた、生ける伝説そのものです。この一本をタックルボックスに加えることは、釣りの歴史と、未来の釣果を手に入れることに他なりません。
2. タフな状況を打開する喰わせの切り札・SR5:ラパラ(Rapala) シャッドラップ 5cm SR5
プレッシャーの高い野池、見えバスが全くルアーに反応しないクリアウォーター、あるいは渓流の淵に潜む狡猾な尺イワナ。誰もが匙を投げたくなるような、そんな極限のタフコンディションを経験したことはありませんか。そんな時、あなたの右腕となって状況を打開してくれるのが、このシャッドラップSR5です。
5cmというコンパクトなボディは、セレクティブな魚にとって警戒心を抱かせない、まさに一口サイズのベイトフィッシュ。それでいて、兄貴分であるSR7から受け継いだ、バルサボディ特有のキレのあるハイピッチアクションは健在。その小さな体から放たれる生命感の波動は、タフな魚の本能を静かに、しかし確実に揺さぶります。
スピニングタックルやベイトフィネスタックルとの相性は抜群で、ピンスポットへの正確なキャストを可能にします。狙った岩陰やアシの根元へ静かに着水させ、ゆっくりと巻き始める。その瞬間に訪れる明確なバイトは、まさにこのルアーでしか味わえない格別の体験です。
バス釣りだけでなく、トラウトアングラーからも絶大な支持を得ており、管理釣り場や渓流でのマストアイテムとしても知られています。もう打つ手がない、と感じた時こそ、この小さな巨人の出番です。他の誰にも釣れない魚を、あなただけが手にする。そんな優越感と達成感を、このSR5が約束してくれます。
3. 水面を制するシャローゲームの支配者・SSR7:ラパラ(Rapala) シャロー シャッド ラップ 7cm SSR7
春先のスポーニングシーズン、バスが浅瀬を意識し始めるあの心躍る季節。あるいは、真夏の朝まずめ、水面で小魚が逃げ惑うあの瞬間。そんなシャロー(浅瀬)でのエキサイティングな攻防を120%楽しむために生まれたのが、このシャローシャッドラップ SSR7です。
SRモデルとの最大の違いは、その優れた浮力と、最大潜行深度が1.8mに設定されたシャローランナーであること。これにより、水面直下をまるで本物のベイトフィッシュのように引き波を立てながら泳がせることが可能です。ウィードやゴミが水面に浮いているような、通常のクランクベイトでは根がかりしてしまうポイントでも、SSRなら臆することなく攻めきることができます。
また、ストップアンドゴーも非常に有効なテクニックです。リトリーブを止めると、ボディを揺らしながらゆっくりと水面に浮上。この無防備な浮上アクションが、下から獲物を狙うバスの捕食本能を強烈に刺激し、水面が爆発するような激しいバイトを誘発します。
SR7と同じ7cmボディでありながら、全く異なるアプローチで魚を誘うことができる、もう一つのシャッドラップ。このルアーを使いこなせば、あなたのシャローゲームの戦略は劇的に広がり、これまで獲れなかった魚との出会いが格段に増えることでしょう。水面が割れる興奮を、ぜひその手に。
4. 伝説と革新の融合体・シャッドラップエリート75:ラパラ(Rapala) シャッドラップ エリート SRE75
もし、オリジナルのシャッドラップが伝統工芸品ならば、このシャッドラップエリートは最新鋭の戦闘機です。ラパラが持つ伝説的なアクションの設計思想はそのままに、現代の最先端技術を惜しみなく投入して誕生しました。
SRE75、つまり7.5cmのボディは、日本のベイトフィッシュサイズを徹底的に研究して導き出された、まさに釣るためのサイズ。まず、キャストした瞬間にその違いに気づくはずです。内蔵されたタングステンウェイトシステムが、驚異的な飛距離と、寸分の狂いもない正確な弾道を実現します。
これまで指をくわえて見ていた対岸のストラクチャーも、もはやあなたの射程圏内です。ボディ内部にはワイヤーを貫通させたスルーワイヤー構造を採用し、オリジナルの弱点であった強度面を完全に克服。不意のランカークラスや、シーバスの強烈なエラ洗いはもちろん、岩にぶつけても破損を恐れる必要はありません。
そして特筆すべきは、そのアクション。オリジナルよりも若干強いウォブンロールアクションは、広範囲から魚を引き寄せる強いアピール力を持ちながら、高速リトリーブでも決してバランスを崩しません。伝統のバルサの魂に、現代のテクノロジーという強靭な鎧をまとった次世代のシャッドラップ。より遠くへ、より大胆に、そしてより確実に。あなたの釣りを、新たな次元へと導く革新の一本です。
5. 予測不能な動きで誘う魔性のジョイント・JSR5:ラパラ(Rapala) ジョインテッド シャッド ラップ 5cm JSR5
ただ巻きルアーにスレきった魚、何を投げても見向きもされない低活性の魚。そんな難攻不落のターゲットを攻略するために、ラパラが生み出した一つの答えが、このジョインテッドシャッドラップです。JSR5、5cmのコンパクトなボディは、中央から二つに折れ曲がるジョイント構造になっています。
この構造が、他のどんなルアーにも真似できない、独特で艶かしいアクションを生み出します。ただ巻きするだけで、ボディをくねらせながら、まるで瀕死の小魚が悶えるような生命感あふれる泳ぎを披露します。この予測不能な動きの変化が、ルアーを見慣れた魚の理性を麻痺させ、思わずリアクションバイトさせてしまうのです。
特に、リトリーブを止めた瞬間の動きは秀逸。ボディが「くの字」に折れ曲がりながら、ゆらゆらと沈んでいく。この無防備なフォール姿勢は、まさに最終兵器。これまで幾度となく、あと一歩で食わなかった魚を仕留めてきました。SR5と同じ5cmサイズなので、タックルも選びません。スピニングでもベイトフィネスでも、その魔性のポテンシャルを存分に引き出すことができます。
普通のシャッドラップでは反応が得られなくなった時、ボックスにこのJSR5があるという安心感は、計り知れません。あなたの攻めのバリエーションを増やし、タフな状況を遊びに変える、そんな魔法のような力を持ったルアーです。
まとめ:シャッドラップという名の信頼を、あなたの右腕に

あなたの次のステップは、自身の釣りを振り返り、そのパズルに足りないピースを見つけることです。いつも攻めあぐねているシャローエリアがあるのなら、迷わずSSRを手に取ってください。プレッシャーの高いフィールドで、あと一本がどうしても欲しいなら、SR5があなたの助けとなるでしょう。そして、もし基本の一本を求めるなら、SR7こそがあなたの最高の相棒となります。
次の釣行日、あなたはもうルアーセレクトに迷うことはありません。自信を持ってシャッドラップを結び、キャストするだけです。ロッドティップから伝わる、生命感あふれるあの小気味よい振動を感じた時、あなたは半世紀近くにわたって受け継がれてきた信頼の意味を知るでしょう。そしてその先には、今まで出会えなかった魚との、最高の瞬間が待っています。この知識を武器に、伝説の力をあなたのものにしてください。