シマノ ルアーマチックS86ML徹底インプレ！

これからルアーフィッシングを始めようと決意した時、まず直面するのが「どのロッドを選べばよいか」という大きな壁です。釣具店には無数のロッドが並び、どれも魅力的に見えますが、最初の1本として最適な選択をするのは難しいものです。

そんな中で、多くの初心者からベテランまでが注目するのが、信頼のシマノ ルアーマチック S86MLです。このロッドは、手頃な価格帯ながらシマノの技術が注ぎ込まれた、まさにエントリーモデルの決定版とも言える存在です。

しかし、本当にこの1本で大丈夫なのでしょうか。シマノ ルアーマチック S86MLで釣れる魚は何か、より長いS90MLとどっちを選ぶべきか、そして最適なリールの番手はどれくらいなのか。そうした疑問や不安が、あなたの一歩をためらわせているかもしれません。

この記事では、23ルアーマチックS86MLの具体的なスペックやインプレを交えながら、その万能性と評価を徹底的に解剖します。あなたのルアーフィッシングが、最高のスタートを切れるよう、全ての疑問にお答えします。

シマノ ルアーマチック S86MLの魅力と基本スペック

1. シマノ ルアーマチック S86MLの詳細スペックと評価

シマノ 23 ルアーマチック S86MLは、ルアーフィッシングの入門者向けに設計されたロッドですが、そのスペックと実力は価格を遥かに超えています。まず基本スペックとして、全長は2.59メートル（8フィート6インチ）、仕舞寸法は133センチの2ピースモデルです。

この長さは、堤防、河口、サーフ（砂浜）など、様々なフィールドで扱いやすい万能な設定と言えます。適合ルアーウェイトは6グラムから32グラム。これはシーバス（スズキ）狙いで多用する10グラム前後のミノーやシンキングペンシルから、小型のメタルジグまで幅広く対応できることを意味します。

適合ライン（PE）は0.6号から1.5号と、こちらもシーバスフィッシングの標準的な太さをカバーしています。最新の23モデルは、旧モデルに比べてブランクス（竿本体）の設計が見直され、よりシャープな振り抜きと軽量化を実現。安価なロッドにありがちな「重くてダルい」感覚がなく、ルアーの操作性も向上しています。シマノ ルアー マチック 86MLとしての評価は一貫して高く、そのコストパフォーマンスの良さから「最初の1本」として絶大な信頼を得ているのです。

2. ルアーマチックS86MLで釣れる魚は？万能性を検証

ルアーマチック S86MLの最大の魅力は、その驚異的な汎用性にあります。このロッドの適合ルアーウェイト（6〜32g）とML（ミディアムライト）というパワー設定は、日本の沿岸で狙える多くのターゲットをカバーしています。筆頭は、ルアーフィッシングの王道であるシーバスです。

港湾部から河川、干潟まで、シーバスゲームの基本をこの1本で学ぶことができます。さらに、このスペックはエギング（アオリイカ釣り）にも最適です。3.5号（約21g）のエギを快適に操作でき、秋の数釣りから春の大型狙いまで対応可能です。

また、20〜30gのメタルジグを使えば、タチウオ（太刀魚）やサゴシ（サワラの若魚）、小型の青物（イナダなど）を狙ったライトショアジギングも楽しめます。河口やサーフでは、ジグヘッドやバイブレーションを使ってヒラメやマゴチといったフラットフィッシュを狙うこともできます。

まさに「S86MLで釣れる魚は？」という疑問の答えは「日本の沿岸にいるほとんどのフィッシュイーター」と言っても過言ではありません。ただし、釣れる魚種であっても、水産庁が定める遊漁のルールとマナーを守り、地域ごとの採捕サイズや禁漁期間を必ず確認して、持続可能な釣りを楽しみましょう。

3. S86MLとS90ML、あなたに合うのはどっち？

ルアーマチックシリーズを選ぶ際、S86MLとS90MLのどちらにすべきか迷う方は非常に多いです。この二つの最大の違いはロッドの長さです。S86MLが2.59メートルであるのに対し、S90MLは2.74メートルと約15センチ長くなります。この長さの違いが、そのまま飛距離の差に直結します。

S90MLは、より遠くへルアーを飛ばす能力に優れており、広大なサーフや大規模河川の河口など、とにかく飛距離が求められるフィールドで大きなアドバンテージとなります。一方、S86MLは、長さが抑えられている分、取り回しが良いのが特徴です。

足場の低い堤防や、障害物が多い都市型河川、小規模な港湾部などでは、S86MLの操作性の高さが光ります。ルアーを正確に狙った場所へ投げ込む（キャスト精度）、ルアーを細かく操作する（ロッドワーク）といった点ではS86MLが有利です。どちらを選ぶべきか。あなたの答えは、メインに通うフィールドによって決まります。様々な場所で釣りをする、あるいは操作性を重視するならS86ML。サーフや大河川がメインで、少しでも遠くに飛ばしたいならS90MLを選ぶと良いでしょう。

4. ルアーマチックS86MLに合うリールの番手はこれ

ロッドの性能を最大限に引き出すためには、リールとのバランスが極めて重要です。ルアーマチックS86MLに合うリールの番手として、シマノ製リールであれば「2500番」または「C3000番」が最適解となります。C3000番の「C」はコンパクトボディを意味し、ボディサイズは2500番と同じでスプール（糸巻き部）だけが深溝（糸巻き量が多い）になっています。

このサイズが推奨される理由は、まずロッドとの重量バランスです。S86MLのロッド重量に対して、軽すぎず重すぎないため、一日中キャストとリトリーブを繰り返しても疲れにくいのです。また、シーバスフィッシングで多用するPEライン0.8号から1.2号を150メートルほど巻くのに十分なラインキャパシティを持っています。

ギア比については、標準的なノーマルギア、またはHG（ハイギア）がおすすめです。HGはルアーの回収が速く、ラインのたるみを素早く巻き取れるため、シーバスやタチウオ狙いで有利になる場面が多いです。ルアーマチックと価格帯を合わせるなら、シマノのセドナやサハラ、ナスキーといったリールが候補となるでしょう。

5. 23ルアーマチックは生産終了？旧モデルとの違い

ルアー マチック s86ml 生産 終了という情報を見かけることがありますが、これは旧モデルのことであり、心配する必要はありません。2023年にシマノ ルアーマチックは「23 ルアーマチック」としてフルモデルチェンジを果たしました。この最新モデルは、旧モデルから大幅な進化を遂げています。

最も大きな違いは、デザインの刷新とブランクスの性能向上です。ブラックを基調としたシックなデザインは、上位モデルにも見劣りしない高級感をまとっています。また、リールシート（リールを固定する部分）の形状も改良され、握りやすさが格段に向上しました。

性能面では、シマノ独自の強化構造である「ハイパワーX」を新たに採用（一部のキャスティングモデル）。これにより、ロッドのネジレが抑えられ、キャストの正確性や飛距離が向上し、大物とのファイトでも安心感が増しています。旧モデルもコストパフォーマンスに優れた良いロッドでしたが、23ルアーマチックS86MLは、まさに価格破壊とも言える性能を手に入れました。これから購入するなら、間違いなくこの23モデルを選ぶべきです。

最初の1本に最適！ルアーマチックと揃えたい万能タックル

1. シマノ 23 ルアーマチック S86ML (万能スタンダード)

あなたがルアーフィッシングの世界に足を踏み入れるとして、たった1本だけロッドを選ぶなら、このシマノ 23 ルアーマチック S86MLこそが、その最良の答えとなるでしょう。なぜなら、このロッドは「最初の1本」に求められる全ての要素を、高次元で満たしているからです。

全長2.59mという長さは、日本のあらゆるフィールドで過不足ない「黄金比」です。堤防での取り回しの良さ、河川での十分な飛距離、その両方を実現します。そしてML（ミディアムライト）というパワー。6gの軽量ミノーを繊細に操るしなやかさを持ちながら、30gのメタルジグをフルキャストできる強靭なバットパワーも兼ね備えています。

これにより、シーバス、エギング、タチウオ、ライトショアジギングと、あなたが「釣ってみたい」と思うターゲットのほとんどを射程に収めることができます。2023年モデルへの進化は伊達ではありません。上位モデルにも採用される強化構造「ハイパワーX」が、キャスト時のブレを徹底的に排除。

あなたのルアーは、まるで意志を持ったかのように狙ったポイントへ真っ直ぐ飛んでいきます。魚を掛けた後も、ロッド全体がしなやかに曲がりながらも、中心には確かな力が残り、魚の引きを楽しみつつ、主導権を渡しません。この信頼感が、シマノというブランドが長年培ってきた技術の証です。

価格はエントリーモデルでありながら、その実力は中級者をも納得させるもの。この1本があれば、あなたはもう「どのロッドにしようか」と迷う日々から解放され、ただ純粋に「何を釣ろうか」と胸を躍らせる、本物の釣り人としての第一歩を踏み出すことができるのです。

2. シマノ 23 ルアーマチック S90ML (遠投性能モデル)

もし、あなたの心に「誰よりも遠くへルアーを届けたい」という渇望があるならば、選ぶべきはS86MLではなく、このS90MLです。全長2.74m、8フィート6インチのS86MLよりもさらに15cm長いこのロッドは、その長さをそのまま飛距離という絶対的な武器に変換します。広大なサーフ（砂浜）で、はるか沖に発生したナブラ（魚の群れ）を目の当たりにした時の絶望感を想像してみてください。

S86MLでは届かない、あのポイント。S90MLなら、その絶望を希望に変えることができます。ロッドのしなりを最大限に活かし、30g近いメタルジグやヘビーシンキングペンシルを空高く放り出す感覚は、まさに快感の一言。適合ルアーウェイトはS86MLと同じ6〜32g、パワーも同じMLですが、このロッドの真価は20g以上のルアーを遠投した時にこそ発揮されます。

もちろん、長さがある分、S86MLに比べて操作性や手返しでは一歩譲ります。しかし、大規模河川の対岸ギリギリを狙う時、サーフで波打ち際からさらに沖のブレイクラインを探る時、S90MLがもたらすアドバンテージは計り知れません。あなたが主に釣りをすると想定している場所が、広大なフィールドであるならば、迷わずこのS90MLを選ぶべきです。その圧倒的な飛距離が、他のアングラーが見ることのできない景色を、あなたに見せてくれるはずです。飛距離は正義。その言葉の意味を、このロッドが教えてくれます。

3. シマノ 23 ルアーマチック S70UL (ライトゲーム特化)

シーバスやタチウオといった大きな魚も魅力的ですが、もしあなたが、アジやメバルといった小型のターゲットとの繊細な駆け引きに心を奪われるなら、このS70UL（ウルトラライト）モデルこそがあなたのための1本です。S86MLとは全く異なる世界、それがライトゲームです。適合ルアーウェイトはわずか0.8gから7g。1gにも満たないジグヘッドを操り、水中からの微細な信号を読み取る、まさに「感度」の釣りです。

S70ULは、その繊細なアタリを「コン」という明確なシグナルとして手元に伝達するために設計されています。しなやかながらも適度な張りを持つティップ（穂先）は、軽量なルアーを驚くほど遠くへ運び、水中の様子を鮮明に映し出します。夜の静かな漁港で、常夜灯の明暗部に潜むメバルを狙う。その緊張感の中、ティップがわずかに引き込まれる瞬間の興奮は、大型魚の釣りとはまた違った中毒性があります。

このロッドは、S86MLでシーバスを狙う傍ら、足元でライズするアジを狙うための「セカンドロッド」としても完璧です。S86MLが「動」の釣りなら、S70ULは「静」の釣り。ルアーフィッシングの奥深さ、そのもう一つの側面を、このロッドがあなたに開示します。手軽でありながら、どこまでも奥深いライトゲームの世界へ、S70ULがあなたを優しく導いてくれるでしょう。

4. シマノ 23 ルアーマチック S80L (繊細なシーバス攻略)

S86MLの万能性は魅力的だが、もう少し繊細なアプローチがしたい。S70ULのライトゲームも良いが、やはりシーバスがメインターゲットだ。そんな、絶妙な要求を持つアングラーに完璧に応えるのが、このS80L（ライト）モデルです。適合ルアーウェイトは3gから18g。S86MLの下限（6g）よりもさらに軽いルアーを扱え、上限はシーバスフィッシングで多用する15g前後のルアーを快適に投げられる設定です。

このスペックが輝くのは、特に都市部の港湾部や、小規模な河川、運河など、プレッシャーの高いフィールドです。大型のルアーには見向きもしないスレたシーバスに対し、5g程度の小型ミノーやワームを使い、口を使わせる。そんな「食わせ」のテクニックに特化しています。Lパワーのしなやかなティップは、シーバスのついばむような小さなアタリをも弾かずに絡め取り、確実にフッキングへと持ち込みます。

また、チニング（クロダイ・キビレをルアーで釣る）にも最適で、軽いボトムルアーを自然に漂わせる釣りにも高い適性を示します。S86MLが「パワーと汎用性」のロッドなら、S80Lは「技巧と繊細さ」のロッド。ただ巻きだけでなく、ルアーを意図的に操って魚のバイトを誘発する、そんなテクニカルなゲームを志向するあなたにこそ、この1本をおすすめします。

5. シマノ 23 セドナ C3000HG (S86MLの相棒リール)

ルアーマチック S86MLという素晴らしいロッドを手にしたなら、その性能を100%引き出すための「相棒」が必要です。その最有力候補が、このシマノ 23 セドナ C3000HGです。セドナは、ルアーマチックと同じくエントリークラスの価格帯でありながら、シマノの先進技術を惜しみなく搭載した、驚異的なリールです。

C3000という番手は、S86MLとの重量バランスが完璧。C（コンパクトボディ）は2500番の軽量なボディを持ちつつ、3000番のラインキャパシティを持つスプールを搭載。PEライン1号を約150m巻けるため、シーバスからライトショアジギングまで安心して使えます。そしてHG（ハイギア）モデル。これはハンドル1回転で多くのラインを巻き取れるため、ルアーの素早い回収はもちろん、流れの中でラインのたるみを素早く取り除き、常にルアーの操作に集中できるという大きなメリットがあります。

23モデルのセドナは、上位機種に採用される「サイレントドライブ」を搭載。巻き心地は驚くほど滑らかで、エントリーモデル特有のガタつきやノイズは皆無です。まるでシルクのような回転フィールが、あなたの釣りの集中力を極限まで高めます。S86MLとセドナC3000HG。この組み合わせは、単なる「初心者のセット」ではありません。長年釣りを続けてきたベテランが使っても納得する、基本性能の詰まった「黄金のコンビ」なのです。

まとめ：シマノ ルアーマチック S86MLで広がる釣りの世界

シマノ ルアーマチック S86MLというキーワードから始まったあなたのロッド選びの旅も、その終点が見えてきたのではないでしょうか。この記事では、S86MLが単なる安価な入門ロッドではなく、シーバス、エギング、タチウオ、ライトショアジギングまで、1本で多彩な釣りを可能にする驚異的な「万能ロッド」であることを解説してきました。

S90MLとの違いは「飛距離」か「操作性」かという、あなたのスタイル次第であること。そして、2500番またはC3000番のリール（例えば23セドナ）こそが、その性能を最大限に引き出す最高の相棒であることもご理解いただけたと思います。もう迷う必要はありません。あなたのアクションプランは明確です。

まずは23 ルアーマチック S86MLと、C3000HGのリールを手に取ってみてください。この組み合わせこそが、コストを抑えつつもルアーフィッシングの本当の楽しさを味わうための、現在考えられる最良の答えの一つです。このタックルを手にフィールドに立てば、あなたはもう初心者ではありません。

シーバスの強烈な引きをロッド全体で受け止め、アオリイカの繊細なアタリを感じ取る。そんな感動的な未来が、もう目の前に広がっています。この記事で得たルアーマチックS86MLの知識が、あなたの最初の一本を選ぶ確かな指針となり、素晴らしい釣りの世界への扉を開く鍵となることを願っています。